2025 FIA世界耐久選手権:成長と興奮に満ちた有望なシーズン

ニュースとお知らせ 7月2日

2025年のFIA世界耐久選手権(WEC)は、参加ブランド、カレンダー、レギュレーションなど、様々な面で大きな進展があり、耐久レースの黄金時代における新たなスリリングな章となることが期待されます。

参加者の急増と新規参戦

WECは、引き続きトップクラスの自動車ブランドを惹きつけています。ハイパーカークラスでは、アストンマーティンが既存のメーカーに加わり、ハイパーカープログラムを強化します。メルセデスAMGは、アストンマーティン、BMW、コルベット、フェラーリ、フォード、レクサス、マクラーレン、ポルシェなど、既に多様なメーカーが参戦しているLMGT3クラスにデビューする予定です。合計13のコンストラクターが2つのクラスに参戦し、36台のグリッドが組まれます。

カレンダー:グローバルな旅

2025年シーズンは、4大陸をまたぐ8ラウンドのカレンダーに変更はなく、象徴的な人気サーキットが多数登場します。

  • カタール1812km(2月21日~22日、28日)ルサイル・インターナショナル・サーキット
  • イモラ6時間(4月20日)イタリア
  • トータルエナジーズ スパ・フランコルシャン6時間(5月10日)ベルギー
  • シーズンのハイライトとなるル・マン24時間(6月14日~15日)フランス
  • ロレックス サンパウロ6時間(7月13日)ブラジル
  • ローンスター ル・マン サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(9月7日)アメリカ
  • 富士6時間(9月28日)日本(シリーズ100戦目)
  • BAPCOエナジーズ バーレーン8時間(11月8日) 中東にて

主要クラスとその詳細

  • ハイパーカークラス:今年で5年目を迎える耐久レースの最高峰クラスです。マシンはLMH(ル・マン・ハイパーカー)またはLMDh(ル・マン・デイトナh)規定に基づいて製造されます。最高出力は520kW、最低重量は1,030kgで、ハイブリッドまたは非ハイブリッドのパワーユニットを搭載可能で、駆動方式は後輪駆動または四輪駆動です。ミシュランは2029年まで公式タイヤサプライヤーです。
  • LMGT3クラス:今年2年目となるこのクラスは、プライベートチームとプロアマドライバーが参戦するGT3仕様のマシンで争われます。9つのブランドが参戦する18台のグリッドに並びます。グッドイヤーが独占タイヤサプライヤーを務め、2025年には従来のコンパウンドよりも長寿命な新しい「コンパウンドC」スリックタイヤを導入します。

規則と手順

  • 予選:2セッション形式で、最初の12分間の予選に続き、上位10名による10分間の「ハイパーポール」シュートアウトが行われ、各カテゴリーのポールポジションにチャンピオンシップポイント1点が付与されます。
  • セーフティカー導入手順:バーチャルセーフティカー(VSC)導入期間が宣言され、その後セーフティカー導入手順が行われます。VSC導入中は、車両は車間距離を保ちながら一列に並び、時速80kmまで減速します。ピットレーンへのアクセスは可能です。

価値観と持続可能性

WECは、アクセシビリティ、イノベーション、チームスピリット、そして持続可能性を重視しています。100%再生可能なバイオ燃料(Excellium Racing 100)の使用において先駆的な存在であり、CO₂排出量を少なくとも65%削減しています。また、ハイブリッド、水素、ゼロエミッション技術の開発を推進し、自動車の進歩を研究する実験室としての役割を果たしています。

人気の高まり

2024年シーズンは、75万5000人の観客動員数を記録し、スパ・フランコルシャンでは新記録を樹立しました。ソーシャルメディアでの存在感も拡大しており、フォロワー数は680万人以上、エンゲージメント数は4700万人以上、動画再生回数は2億9900万回を超え、2023年から大幅に増加しています。

こうしたエキサイティングな要素を背景に、2025年FIA WECは、熾烈な競争、技術革新、そして世界的な魅力を兼ね備えたシーズンとなることが期待されます。

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