ポルシェ カレラカップ アジア、2026年に新世代911カップ(992.2)を発売予定

ニュースとお知らせ 8月11日

ポルシェ・カレラカップ・アジアは、アジア地域最高峰のワンメイクGT選手権として広く知られていますが、2026年にポルシェ911カップ(992.2)の登場により、新たな章を迎えます。この改良モデルは、長年愛されてきた911 GT3カップに取って代わり、ポルシェ・モータースポーツの改訂されたグローバルネーミング戦略と技術方針に沿ったアジアシリーズへと進化を遂げます。

シリーズの新たなアイデンティティ

2003年のシリーズ開始以来、すべてのグリッドには「GT3カップ」バッジが掲げられてきました。来シーズンからは、この馴染み深いラベルは、より洗練された911カップという名称に取って代わられます。この変更は、ポルシェが「GT」の名称を耐久レースにおけるGT3 Rのような複数メーカーによるGTレースに限定し、ワンメイクカーには「カップ」という明確な統一されたアイデンティティを与えるという決定を反映しています。

開幕戦から全車に992.2世代911 Cupが採用され、すべてのドライバーがポルシェのフラッグシップである世界各地のワンメイク選手権で使用されている最新仕様のプラットフォームで戦うことになります。

主な技術的進歩

911 Cupの導入により、パフォーマンスと使い勝手が大幅に向上しました。

  • エンジン出力:4.0リッター自然吸気水平対向6気筒エンジンは、**382kW (520PS)**を発生。前世代機より10PS向上し、最大トルクは470Nm、最高回転数制限は8,750rpmです。
  • エレクトロニクス:ボッシュ製第5世代レーシングABSとポルシェ・モータースポーツ・トラクションコントロール(PMTC)を標準装備。どちらも路面状況に合わせてコックピットから調整可能です。
  • エアロダイナミックパッケージ:新設計の3ピースフロントリップ、改良されたアンダーボディデザイン、そして簡素化された13段階調整式スワンネックリアウィングにより、精密なチューニングとメンテナンス性が向上しました。
  • 冷却&ブレーキ:中央ウォータークーラーの位置を変更し、ブレーキエアフローを改善。380×35mmの大型フロントディスクと強化されたダクトにより、レース距離全体にわたって安定したパフォーマンスを実現。
  • 環境に優しい燃料対応:FIA「Advanced Sustainable」eFuelに対応。ポルシェの他のワンメイクシリーズで実証済みの再生可能燃料79.7%配合燃料を含むeFuelは、最大66%のCO₂削減を実現します。

2026年シーズンへの影響

ブレーキングの安定性が向上し、空力バランスがより予測しやすくなり、ドライバーが調整可能なコントロール性能が向上した992.2 911 Cupは、セパンの急カーブからマリーナベイやバンコクのタイトなストリートレイアウトまで、カレラカップ・アジアの様々なサーキットで、より緊迫したバトルを生み出すことが期待されています。これらのアップグレードはランニングコストの削減も目指しており、プライベーターチームと既存チームの両方にとって歓迎すべきものです。

期待が高まる

アジア地域での初期テスターからは、よりシャープなフロントエンドのレスポンス、より安定したブレーキフィール、そして経年劣化したタイヤでもペースを維持する能力が高く評価されています。これらの特徴により、この新型モデルはベテランのプロドライバーと新進気鋭のドライバーの両方から人気を集めるはずです。

今後の展望

ポルシェのワンメイクピラミッドにおけるアジアのフラッグシップとして、カレラカップ・アジアでの911 Cupの採用は、ファンと競技者双方から大きな注目を集めるでしょう。 2026年シーズンは、ラップタイムの高速化、レースの緊迫化、そしてシリーズの20年の歴史に新たな一章を加えることが期待されます。